2023/10/24 コラム

著者:Africatime編集部

冬場に起こる一酸化炭素中毒とは?原因や症状、対処法、中毒になるケースについて解説

一酸化炭素中毒

冬場に起こる一酸化炭素中毒とは?原因や症状、対処法、中毒になるケースについて解説

 

冬場に起こりやすいといわれる一酸化炭素中毒は、その重症度によって死亡する可能性のある怖い中毒症です。

 

一酸化炭素中毒は特殊な環境で起こると思われがちですが、実は状況や環境によって誰にでも起こる可能性があります。そのため、原因や予防方法を知っておくことはとても大切です。

 

今回は、一酸化炭素中毒の原因や症状、対処法について解説するとともに、冬場に一酸化炭素中毒が起こった事例についてお伝えします。

 

 

 

一酸化炭素中毒とは

一酸化炭素中毒とは、一酸化炭素を大量に吸い込むことで中毒症状を起こした状態のことです。一酸化炭素は、体のヘモグロビンと結合することで、酸素を全身に運べなくさせます。

 

そのため、全身が酸欠状態となり、頭痛やめまいといったさまざまな症状を引き起こすのが特徴です。最悪の場合、死に至ることもあり、非常に危険な中毒症状です。

 

一酸化炭素中毒が起こる原因

一酸化炭素中毒は、不完全燃焼と換気不足が原因で起こります。例えば、定期的に換気をせずに、ストーブやガスコンロなどを使用するといったケースでは、部屋の一酸化炭素濃度が上がりやすいため、一酸化炭素中毒のリスクが高くなりやすいでしょう。

 

また、一酸化炭素を吸っているのが自覚できないことも、一酸化炭素中毒になる原因です。一酸化炭素は無味無臭無色の気体のため、吸っていることに気が付きにくく、さらに、軽度の初期症状は、風邪症状にも似ています。そのため、中毒症状を起こしていることに気が付ける人が少ない点も、一酸化炭素中毒が起こる原因といえるでしょう。

 

一酸化炭素中毒の症状

一酸化炭素中毒の症状は、軽度、中等度、重度によって症状が異なります。

 

   【軽度】   頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、集中力の低下、眠気など。
 【中等度~重度】   判断力の低下、息切れ、錯乱、けいれん、胸痛、意識消失、昏睡など。
   【重度】   死亡

 

軽度の場合は、新鮮な空気を吸うことで症状が改善しますが、中等度から重度の場合、ほとんどの人が自分の意志では動くことができないため、救助が必要です。

 

重度の場合は、多くの人が死にいたりますが、まれに回復する人もいます。しかし、その場合にも、数週間後に記憶障害や運動障害、精神神経症状が現れることがあるようです。

 

一酸化炭素中毒にならないための対処法

一酸化炭素中毒にならないための対処法は、不完全燃焼が起こりにくくなるよう火器を正しく設置すること。そして、定期的に換気をすることです。暖房器具などの火器は、定期的に点検を行い、故障や破損の有無を確認しましょう。

 

また、暖房器具を使用する頻度の高い場所や、一酸化炭素中毒になる可能性が高い職種の人などは、一酸化炭素の検知器を設置したり、持ち歩いたりすることも対処法となります。火災報知器と同様に、設置しておくと安心でしょう。

 

 

 

冬場に一酸化炭素中毒になるケース

厚生労働省のホームページでは、一酸化炭素中毒になった事例について取り上げています。ここでは、厚生労働省の事例をもとに、冬場に一酸化炭素中毒になるケースを紹介します。

 

車内へ排気ガスが流入

車から排出される排気ガスは、マフラーを通って外へ出されるため、通常であれば、排気ガスが車内に流れ込むことはありません。しかし、排気管が破損していたり、雪の積雪などによって排気口がふさがれていたりすると、排気ガスが車内に流れ込むことがあります。

 

車内へ排気ガスが流入することによって起こる一酸化炭素中毒は、積雪地帯に見られやすいといわれています。例えば、大雪で渋滞が起こるケースでは、マフラーが雪で埋もれてしまう可能性があるでしょう。そういった場合には、除雪またはエンジン停止をすることで、排気ガスが車内に流入しないようにする必要があります。

 

参考:一酸化炭素による中毒等(令和元年)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

室内で火器の使用

いつでも換気ができる室内では、一酸化炭素中毒にならないと考える人もいることでしょう。しかし、室内でも一酸化炭素中毒は起こる可能性があります。

 

冬は、ストーブやカセットコンロ、ガス湯沸し器を使用することが多く、こういった火器は、一般の人が思う以上に、不完全燃焼による一酸化炭素が発生しやすいといわれています。そのため、火器を使用する場合には、一酸化炭素中毒を予防するためにも、定期的に換気することが大切です。

 

参考:一酸化炭素による中毒等(平成22年)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

テント内で火器の使用

暖房器具をテント内で使用する場合、換気をする必要はないと考える人もいるかもしれません。しかし、テント内で一酸化炭素中毒が発生するケースが厚生労働省でのホームページでは公表されています。

 

例えば、冬キャンプやワカサギ釣りといった冬のレジャーでは、快適に過ごすためテントや暖房器具を活用する場合があるでしょう。こういったケースでは、一酸化炭素中毒が起こるリスクが高まるため、屋外に設置したテントであっても、暖房器具などの火器を使用する場合には、定期的に換気をする必要があります。

 

参考:一酸化炭素による中毒等(平成26年)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

 

 

冬場は一酸化炭素中毒に注意しよう

冬場は、暖房器具やガスコンロなどの火器を使用する機会が多いため、一酸化炭素中毒を起こしやすい時期です。一酸化炭素中毒は、適切に火器を使用し、定期的に換気をすることで予防することができます。正しい知識を持ち、冬場の一酸化炭素中毒にならないよう対策をしましょう。