2022/07/27 コラム

著者:Africatime編集部

胃の痛みの原因は?種類と症状・疑われる病気について解説

胃の痛み

胃の痛みの原因は?種類と症状・疑われる病気について解説

胃の痛みは「ストレスが原因」と思い込んでいる人もいるかもしれません。しかし、胃の痛みは、ストレス以外にもさまざまな原因があります。

 

今回は、胃の痛みについてお伝えするとともに、原因や考えられる疾患について解説します。

 

 

 

胃の痛みとは?

胃の痛みの感じ方や症状はさまざまです。まずは、胃の痛みについて見てみましょう。

 

どんな痛み?

胃の痛みの感じ方には、違いがあります。突然起こったり、じんわりと痛みが続いたり、ズキズキしたりとさまざまです。その理由は、胃に痛みを感じる病気がいろいろとあり、病気によって痛みの感じ方が異なるからです。

 

さらに、同じ痛みでも、原因が異なるケースもあります。そのため、どのような痛みがあるのか、他にどんな症状があるのかなどを医師に伝えられると、診断や治療をするための判断材料となります。

 

どんな症状?

痛みの症状もさまざまです。

 

  • ・突然、激痛が走る。
  • ・数日間痛みが続く。
  • ・夜間や早朝など決まった時間帯に胃の痛みを感じる
  • ・空腹時や食後など決まったタイミングに痛みを感じる
  • ・痛みが断続的に続いている

 

前述したように、胃の痛みは、痛みの元となる病気によって症状が異なります。まずは、どのような痛みがどんな症状で起こるのかを把握するようにしましょう。

 

 

 

胃の痛みの原因は?

胃の痛みには、いくつか原因があります。それぞれ見ていきましょう。

 

乱れた食生活

胃に痛みを感じる原因の一つに、乱れた食生活が挙げられます。例えば、脂っこい物を頻繁に食べたり、暴飲暴食をしたりすることは、胃に負担がかかりやすいとされています。こういった食生活をすると、胃は食べ物を消化するために胃酸の分泌が活発になります。

 

胃酸の分泌が高まると、胃の粘膜を傷つけやすくなるため、胃に痛みを感じやすいです。また、激辛ラーメンなど刺激の強い食べ物やアルコールなども胃に負担をかけるので、注意しましょう。

 

過度なストレス

必要以上にストレスがかかると、自律神経が乱れやすくなります。自律神経は胃の働きをコントロールしているため、自律神経の乱れによって胃酸の分泌が活発になるケースがあります。乱れた食生活と同様に、胃の粘膜が傷つく原因となるため、胃に痛みを感じやすくなります。

 

ピロリ菌の感染

ピロリ菌という細菌をご存じでしょうか。正式にはヘリコバクター・ピロリと呼ばれており、感染すると胃の粘液に住み着き、粘膜を傷つけます。一般的な細菌は、胃酸の中で生きられません。

 

しかし、ピロリ菌は、胃酸を中和する酵素を作り出せるため、自分の周辺を中和することが可能です。そのため、胃の中に生息することができるのです。胃の粘膜が傷つくメカニズムの1つは、ピロリ菌が生成する分解酵素とされています。

 

 

 

胃の痛みがある病気の症状

胃の痛みがある疾患はさまざまなものがあります。疾患と主な症状について見ていきましょう。

 

急性胃炎

急性胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起こっている状態です。キリキリといった痛みを感じたり、胸やけや吐き気を伴うケースがあります。急性胃炎の原因は、ストレスや暴飲暴食、薬の副作用などがあります。

 

慢性胃炎

胃全体が炎症を起こしている状態を慢性胃炎と呼びます。みぞおち周辺の痛みが続いたり、胃の痛みが繰り返えされたりするのが特徴です。胸やけや吐き気、膨満感などが起こることがあります。主に、ピロリ菌の感染が原因とされています。

 

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる疾患です。みぞおちや背中に痛みを感じるのが特徴です。特に、夜間や空腹時などに胃の痛みを感じやすいです。原因は、下部食道括約筋や蠕動運動の低下といった体の機能が低下することで起こる場合と、暴飲暴食や食後すぐに横になるといった日々の生活習慣が原因になる場合などがあります。

 

胃・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の粘膜が胃酸によって傷ついてしまう病気を胃・十二指腸潰瘍と呼びます。胃酸は、本来胃の粘膜を溶かすほど強いです。胃は自身を守るために、胃酸を中和するための粘液を分泌しています。そのため、通常であれば、胃酸と粘液がバランスよく分泌されているため、胃の粘膜は溶けることはありません。

 

しかし、粘液の分泌が減少したり、胃酸の分泌が増加したりすることで、胃や十二指腸に潰瘍ができてしまいます。主な症状は、胃の痛みや腹部膨満感などですが、胃潰瘍では食後に胃の痛みが、十二指腸潰瘍では空腹時に胃の痛みを感じやすいといわれています。

 

胃がん

胃がんの代表的な症状は、みぞおちの痛みや胃の不快感、胸やけ、吐き気などに加え、貧血や黒い便などがあげられます。また、胃の痛みがない場合もあるため、人によってはかなり進行してから胃がんに気が付くこともあります。

 

 

 

胃の痛みが気になったら

胃の痛みと聞くと、ストレスが原因と思い込んでしまいがちです。しかし、胃の痛みの裏には、何らかの疾患が隠れている可能性があります。胃の痛みを感じたら、まずは医療機関を受診しましょう。

 

また、定期的に健康診断を受けることで、胃がんをはじめとしたさまざまな疾患の早期発見・早期治療が期待できます。胃の痛みの有無にかかわらず、定期健診を行うことも健康維持のために大切なことです。