2023/02/25 コラム

著者:Africatime編集部

健康維持のための冬場の最適な温度設定

健康維持のための冬場の最適な温度設定とは?

健康維持のための冬場の最適な温度設定

寒い日のコタツやストーブ、ヒーターやエアコンなどを「寒いから」という理由でいくつも使ったり、設定温度をどんどんあげたりしていませんか?風邪をひかないためにも、部屋を暖かくして快適に過ごすことはとても良いことですが、過度に部屋を暖めると今度は空気が乾燥したり、汗をかいて逆に風邪を引いてしまうことも。

今回は、本末転倒の結果につながらないように「健康維持のための冬場の最適温度」をお伝えして参ります。

 

 

 

冬場の室温管理は大丈夫?

ヒートショックとは?

「朝起きてくるとキッチンが寒い」「脱衣所と浴槽の温度が激しい」このように家の中でも場所によって温度差が生じていることはありませんか?冬場は特に、夏場に比べて屋内が寒くなりがち。場所によっては、外気温と同じ温度の場所もあるようです。

 

私たちは気温が低い場所にいると筋肉にギュッと力が入ります。すると、血管がギュッと縮んでしまい、同時に血流が悪くなります。血流が悪くなると、心臓のポンプは急いで血液を体内に送り込もうとしますから、血圧が上昇します。一般的に夏場よりも冬場の方が血圧が高くなるのはそのためです。

 

急激に血圧が上昇すると、最悪の場合は死に至る危険性もあるため、冬場の室内の気温差は、特に注意が必要です。なかでも屋内の気温差が10度以上ある場合は、寒暖差による血圧の乱高下「ヒートショック」と呼ばれる現象を引き起こします。特に高齢者や心臓・血圧に持病(心臓病、高血圧、不整脈など)をお持ちの方はヒートショックを起こしやすいので、屋内全体を最適な温度に保っておくことがとても重要なのです。

 

多くの人が安全と思っている自宅で起こる不慮の事故は、実は交通事故による死亡者数の3倍というデータがあります。特に冬場は、浴槽でヒートショックを起こす人が急増するというデータもあるのです。温かい居間から、気温の低い廊下に出て、廊下を歩いていく・・・その先の脱衣所では、寒いのを我慢しながら衣類を脱ぐ・・・「寒い寒い」と言いながら冷えた身体を熱めのお湯で暖める・・・。このように、冬場によくある光景が、ヒートショックを起こすのです。

 

 

普段の生活から予防できることは?

家庭内での不慮の事故を起こさないために、普段の生活からできる予防策はあるのでしょうか?

 

先ほど屋内全体を最適な温度に保つことが重要とお話ししました。ヒートショック以外にも血圧の乱高下によって、脳梗塞や心筋梗塞、脳出血、頭痛、立ちくらみなどを起こすリスクがありますから、気温差のある部屋へ移動したときに、急な頭痛や立ちくらみ、動悸、息切れなどを起こさないためにも、普段から部屋ではなく、屋内全体を暖める工夫をしましょう。

 

 

予防策1:暖房効率を上げる

暖かい空気は部屋の上部に溜まります。逆に足元の気温は低いまま。そこでサーキュレーターを使って、上部に溜まった暖かい空気を効率よく循環させましょう。

 

サーキュレーターを天井に向けて設置すれば、壁に沿って暖かい空気を循環させることができ、部屋全体を暖めることができます。

 

 

予防策2:湿度をコントロール

湿度が低いと私たちの体感気温も下がります。空気を吸う際の通り道である鼻や喉の粘膜の絨毛ですら、その働きが弱まります。つまり湿度が低いだけで、異物を排除する機能も低下しますから、加湿器を使って室内の湿度を下げない工夫が必要です。

 

 

予防策3:カーテン

部屋に窓が多いと、いくら暖房をつけていても窓から熱が逃げていきます。そこで、冬場は特に厚手のカーテンをつけて熱が外に出ていくのを防ぐようにしましょう。カーテンをつけただけで、熱が室内に留まりますから室温アップにつながります。

 

 

予防策4:リフォーム

賃貸住宅の場合は難しいかも知れませんが、窓を断熱性の高いものにリフォームするたけで室温が室温が5度以上アップしたという報告もあります。また結露も防ぐことができますから、窓サッシやカーテンにカビが発生することもなくなります。

 

 

予防策5:引越し

高断熱住宅に暮らすと、高血圧が改善されるというデータがあります。また、室温が平均18度以下の家に住む人は、平均18度以上の高断熱住宅に住む人に比べ、10年後の高血圧発症率が6倍である、という追跡調査もあります。

 

 

 

 

健康でいるための最適温度

毎日を過ごす自宅での最適温度があなたの健康や命に直結している、ということはお分かり頂けたでしょうか?では最後に、具体案を3つご紹介をしたいと思います。

 

1. 冬場は室温を上げるのではなく、部屋全体をまんべんなく暖め血圧の乱高下を防ぎましょう

2. 最適気温は寒いと感じない温度(18度〜25度)と鼻や喉を痛めない湿度(50%〜60%)をキープしましょう

3. 湿度が10%上がると、体感温度は1%上昇しますから屋内を暖める際に参考にしましょう

 

ぜひ参考にして頂き、健康的な毎日をお過ごしください。