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子供の誤飲に注意!水で膨らむおもちゃで事故の可能性

子供の誤飲に注意!水で膨らむおもちゃで事故の可能性
子供が水で膨らむおもちゃを誤飲してしまうという事故があり、国民生活センターから注意喚起が出ています。水で膨らむおもちゃとはどのようなものなのでしょうか。事故事例や扱う時の注意点についてお伝えします。
水で膨らむおもちゃとは?
水で膨らむおもちゃとは、水に浸けると膨らむボール状の樹脂製おもちゃで、高吸収樹脂と呼ばれています。水を張った桶などに入れると、水を吸水し何倍にも膨らみます。
真ん丸としたカラフルな見た目をしているため、幼い子供にはグミやキャンディーに見えることもあるようです。そのため、お菓子と誤って食べてしまい、胃や腸のなかで膨らんでしまうという事故が起こっています。
水で膨らむおもちゃはどのくらい膨らむ?
国民生活センターでは、水で膨らむおもちゃが、体内でどの程度膨らむのかを測定するための実験を行っています。2種類の水で膨らむおもちゃを用意し、胃液・腸液を想定した模擬液につけて実験を行いました。
腸液に24時間浸したところ、直径15mm程度のものは40mm近くまで、直径2、3mm程度のものは10mm程度まで膨らむことがわかりました。また、実験結果によると、胃液よりも腸液に浸したものの方が、大きく膨らむという結果が得られています。
水で膨らむおもちゃを誤飲した子供が手術した事例も
国民生活センターでは、水で膨らむおもちゃを誤飲した5つの事例について紹介しています。それぞれ見ていきましょう。
誤飲事例1
『浴室に保管していた水で膨らむボール状の樹脂製玩具を、患児がいつの間にか持ち出して遊んでおり、誤飲した可能性があった。その2日後に嘔吐の症状が現れ、その後も嘔吐と腹痛が持続し、腸閉塞と診断されたが、原因は不明で、開腹手術の結果、回腸に異物と疑われる塊が触知され、腸の外からの圧迫により結腸まで誘導することができ、術後3日目に排出された。』
引用:乳幼児による水で膨らむボール状の樹脂製玩具の誤飲にご注意!(続報)
誤飲事例2
『自宅の庭で遊んでいたときに、水で膨らむボール状の樹脂製おもちゃを飲み込んだ。その夜嘔吐し、嘔吐物の中におもちゃの一部があったため、すぐに病院を受診したところ、腸閉塞が認められた。開腹手術を行うと、腸に3センチ大に拡張したおもちゃが詰まっていた。』
引用:水で膨らむボール状の樹脂製おもちゃの誤飲に注意(見守り情報)
誤飲事例3
『水で膨らむボール状の樹脂製玩具を食べていた可能性があり、病院を受診したところ腸閉塞が認められたため、当該品による腸閉塞を疑い、開腹での手術を行った。』
引用:乳幼児による水で膨らむボール状の樹脂製玩具の誤飲にご注意!
誤飲事例4
『発熱や咳が繰り返し出る症状が現れ、翌日から嘔吐症状と食欲低下があり、翌々日、咳が治らず、入院した。腸管が広がっている様子や小腸先端に異常がみられ、同部位での閉塞が疑われたことから、緊急手術を行い小腸内の異物を摘出した。』
引用:乳幼児による水で膨らむボール状の樹脂製玩具の誤飲にご注意!
誤飲事例5
『水で膨らむボール状の樹脂製玩具で遊んだ1~2時間後から嘔吐があり、救急外来を受診し、症状発生から4日経過しても嘔吐症状が続いていた。再度救急外来を受診したところ、複数の膨張したボールが腸管内に確認され、誤飲から5日後に開腹手術を行い、腸管内の異物を摘出した。』
引用:乳幼児による水で膨らむボール状の樹脂製玩具の誤飲にご注意!
水で膨らむおもちゃによる事故発生で事業者へ要望が
国民生活センターは、水で膨らむおもちゃによる事故が発生したことから、製造事業者へ以下のような要望を紙面しました。
- ・水で膨らむ樹脂製品をおもちゃとして販売しないこと。
- ・事故が発生したおもちゃについて回収を検討すること。
- ・万が一、小さな子どもが誤飲した場合でも、腸閉塞などの事故が起こらないように商品を設計すること。
- ・万が一、誤飲した場合、窒息や腸閉塞などの事故に至る可能性があることを、大きな文字で注意表示を行うこと。
製造事業者は、水で膨らむおもちゃを販売する場合、あらゆるリスクや事故を想定した商品設計を十分に行うことが求められています。また、事故が起こらないように購入者へ注意喚起を行うことも要望されています。
さらに、水で膨らむおもちゃのリスク管理については、製造事業者だけではなく、販売者についても協力依頼がされています。インターネットや店舗で販売する事業者やオークションなどに出品する出品者についても、誤飲した場合のリスクについて、しっかりと注意喚起をする必要があるでしょう。
水で膨らむおもちゃで遊ぶ時の注意点
まずは、対象年齢を守って使用することが大切です。おもちゃは、年齢にあった大きさや形をしているもの。対象年齢を守ることは、事故を未然に防ぐことに繋がります。
ただし、水で膨らむおもちゃについては、対象年齢以上の場合でも、子どもだけで使用するのは避けた方が良いでしょう。できる限り、保護者が付き添ったうえで遊び、保管場所についても子どもの手が届かない場所を選ぶと安心です。
また、水で膨らむおもちゃを誤飲した可能性がある場合は、なるべく早く医療機関を受診しましょう。対象年齢より小さい子どもがいる場合は、水で膨らむおもちゃを購入しないことも検討する必要があります。
子供の口に入るサイズのおもちゃで遊ぶ時は
水で膨らむおもちゃに限らず、子供の口に入るサイズのおもちゃは、誤飲のリスクがあります。誤って飲んでしまった場合、腸閉塞や窒息の恐れがあるため、小さな子供におもちゃを与える場合は、年齢に適したサイズを把握しておく必要があるでしょう。
また、水で膨らむおもちゃは、水に浸す前はとても小さいですが、水につけると何倍にも膨らむおもちゃです。大人は、販売時のサイズに惑わされず、おもちゃの特性やそのリスクを把握することが大切でしょう。
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