2021/12/24 コラム

著者:Africatime編集部

歯槽膿漏は治る?原因や症状、予防方法を解説

歯科受診

歯槽膿漏は治る?原因や症状、予防方法を解説

歯槽膿漏の原因菌である歯周病菌は、ほとんどの人の口の中に存在する常在菌の1つです。しかし、必ずしも歯槽膿漏を発症するわけではありません。上手に口腔ケアをすることで、歯槽膿漏を予防することができます。

今回は、歯槽膿漏の原因や症状などについて解説するとともに、予防方法についてお伝えします。

歯槽膿漏とは

歯槽膿漏とは、歯周病の中で一番症状が進んだ状態のことを指します。歯周病は病状の進行によって呼び名が変わるのです。まずは、歯周病歯槽膿漏、歯肉炎、歯周炎について見ていきましょう。

歯槽膿漏・歯肉炎・歯周炎の違い

歯周病は初期を歯肉炎、中期を歯周炎、後期を歯槽膿漏と呼びます。初期(歯肉炎)では、歯茎の腫れや出血などが見られますが、痛みがほとんどありません。中期(歯周炎)では、炎症が奥まで進んでいるため、歯を支える骨が徐々に溶け始め、歯茎が下がります。

後期(歯槽膿漏)では、歯を支える骨が溶け、歯の根元がむき出しになります。歯を支える力が弱まるため、最終的に歯を失うこともあるでしょう。

 

歯槽膿漏の原因

冒頭でも触れましたが、歯槽膿漏の原因は口腔内の歯周病菌です。歯周病菌は歯垢(プラーク)に生息しているため、歯垢(プラーク)が溜まると増殖します。歯周病菌が出す毒素で歯茎が炎症を起こし、歯周病を発症してしまうのです。

歯槽膿漏の原因菌である歯周病菌は、空気を嫌がる「嫌気性菌」です。そのため、歯周病菌は空気に触れにくい「歯周ポケット」に入り込み増殖します。健康な人であれば、歯周ポケットの深さは2~3mm程度ですが、歯茎が炎症を起こして腫れてしまうと4~5㎜と深くなります。

歯周病菌が住みやすい環境が作られるとさらに歯周病菌が増殖し、歯周ポケットが深くなるという悪循環が生まれ、歯肉炎が歯周炎、歯槽膿漏と進行してしまうのです。

歯槽膿漏の主な症状

歯槽膿漏は歯周病が進行した最終段階です。そのため、歯槽膿漏の主な症状は、初期・中期に現れる症状に加え、「歯茎から膿が出る」「歯がぐらつく」「歯が抜ける」といった症状が現れます。初期(歯肉炎)では「歯茎の腫れや出血」中期(歯周炎)ではが目立ちます。

「口臭」も症状の1つです。歯と歯茎の間にある歯周ポケットに、歯垢(プラーク)が溜まるため、細菌が増殖してガスが発生します。このガスが口臭として症状に現れるのです。

自宅でできる歯槽膿漏を予防方法

歯槽膿漏を予防するためには、自宅でのケアが大切です。自宅でできる予防方法を見ていきましょう。

正しい歯磨き

歯槽膿漏の予防には、正しい歯磨きを身につけることが大切です。まずは、歯の1本1本を意識しながら歯ブラシを小刻みに動かしましょう。ゴシゴシと磨かず、軽い力で歯ブラシを動かすように意識します。

この時、毛先が広がらない程度の力で、歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先を当てるように磨くのがポイントです。毎食後に歯磨きすることが理想ですが、外出先などで歯磨きができない場合は、口をゆすぐようにしてください。

デンタルフロス・歯間ブラシ

デンタルフロス・歯間ブラシとは、歯と歯の隙間を掃除する専用の器具です。歯ブラシでは取り除けない「食べかす」や「歯垢」を取ることができます。歯と歯の隙間があまりない人にはデンタルフロスが、隙間がある人には歯間ブラシがおすすめです。

禁煙を心がける

喫煙者は非喫煙者と比べて、歯周病になりやすいというデータがあります。歯周病の原因に

免疫機能の低下があげられており、免疫機能を維持するために生活習慣を整えることは、歯槽膿漏の予防に効果的です。喫煙は免疫機能が低下すると言われているため禁煙を心がけましょう。

 

歯槽膿漏の予防には定期的な歯科受診も大切

歯槽膿漏の予防には自宅でのケアに加え、定期的に歯科受診することも大切です。歯科受診を行うことで、歯周病を初期段階で発見できるだけでなく、自宅ではケアしきれない歯石の除去などを行ってもらえます。

歯のクリーニングや歯石の除去をしてもらう

歯石は歯周病菌を増やす原因となるため、歯石がある場合には歯科で取り除いてもらうようにしましょう。3か月に1回程度の受診がおすすめです。

歯列矯正をする

歯と歯の間に隙間があったり、歯ならびが悪かったりする場合、食べものが歯の隙間に詰まりやすいです。歯列矯正をすると、歯と歯の隙間が少なくなるため歯周病菌が繁殖するリスクを減らせます。

歯周外科治療を行うことも

歯周ポケットの深さが深いと、歯ブラシで歯垢(プラーク)が取れなかったり、歯周病が進行してしまったりすることもあります。その場合は、歯周ポケットの深さを減少させる外科的治療を行うことがあります。

毎日のケアと定期的な歯科受診が歯槽膿漏の予防につながる

毎食後に歯磨きをする習慣を身につけましょう。加えて、歯垢や歯石を取り除くことが大切です。毎日のケアと定期的な歯科受診が歯槽膿漏の予防につながります。

以上、歯槽膿漏は治る?原因や症状、予防方法を解説させていただきました。