著者:Africatime編集部

医療機関によって医師の年収は変わるの?

医療機関によって医師の年収は変わるの?

医療機関によって医師の年収は変わるの?

日頃私たちがお世話になっている各種医療機関。例えば、国立・私立の大学病院、医療法人、社会保険関係の病院、公立病院、民間病院、個人病院(開業医)など、その経営形態は様々です。今回は、各種医療機関の形態によって、医師の年収が変わるのか?もし変わるとしたらどのくらい変わるのか?など、病院ごとの給与や医療機関別の平均年収にスポットを当ててご紹介したいと思います。

 

 

 

医師の年収事情を見てみよう!

まず初めに、医師の平均的な年収をご紹介したいと思います。

医師の平均的年収は、役職や年齢によって異なりますが、以下の金額が一般的な平均年収といわれています。

 

医師(40代):1200万円前後

医科長(50代):1500万円前後

副医院長(50代〜60代):1800万円前後

医院長(60代):2000万円前後

 

役職や年齢が上がるにつれ、年収もアップしていく・・・これが医師の一般的な年収スタイルのようです。ここでご紹介した平均年収額は、勤務する医療機関に関係なく、あくまでも「一般的な目安」となります。

 

 

 

医療機関ごとに年収は変わるのか?

続いて、各医療機関ごとに、医師の年収は変わるのか?検証していきましょう。

 

例えば、都道府県や市町村立などの公立病院。

基本的に給与額や雇用条件は公務員と同等であり、金額面でも納得のいく額が予め設定されています。安定した給与額や職場が保証されている代わりに、アルバイト(非常勤勤務医)は禁止されています。公立病院は民間病院と比較すると施設数が少ないのが特徴で、緊急搬送などを含む「公益な医療」は100%受け付けており、労働時間や拘束時間、緊急対応などが多いことも給与面に反映されています。

 

一方で、民間病院はどうでしょうか。

日本の医療施設の7割が民間病院といわれているほど、民間病院の施設数は多いのですが、都市部に過集中しており、いわば患者さんを獲得するための競争が起こっている状態です。民間病院は、病院の経営次第で医師の年収が大きく変わると言われていますから、公立病院と比較すると不安定な職場であるといえるでしょう。そのためか、アルバイト(非常勤勤務医)は認められています。

 

休日にアルバイト(非常勤勤務医)をすることで、民間病院の給与額に300万円から多くて1000万円もプラスすることも可能なようです。

 

その他では、個人病院(開業医)を開業したり、医療法人を設立し、病院を経営しながら院数を増やしていくなど、医師の年収をアップする秘策はまだまだたくさんあるようです。

 

 

 

年収が高い医療機関ベスト3

では実際に、医療機関ごとにどの程度年収差があるのか?1〜3位をランキング別に検証していきたいと思います。

 

1位:民間病院

・基本給に加えて、インセンティブ(業績)手当やボーナスなどがプラスされるので、高額年収になりやすい。

・アルバイト(非常勤勤務医)は可能なので、通常の勤務以外のアルバイト医師だけでも500〜1000万円ほど稼げる場合もある。

・給与や労働環境が病院の経営状態に大きく左右される

 

2位:都道府県や市町村立などの病院

・過疎化の進む僻地などのある病院で勤務する場合、特別手当が支給されるため場合によっては3000万円〜5000万円になることも。

・アルバイト(非常勤勤務医)は禁止

・運営母体が都道府県や市町村などの自治体となるため、給与や労働環境が病院の経営状態に左右されない

 

3位:医療法人

・入院病床がある場合、ない場合と比べて500〜800万円ほどの年収差がアップする。

・アルバイト(非常勤勤務医)は可能。

・運営母体が公的団体となるため、給与や労働環境が病院の経営状態に大きく左右される

 

 

 

県によっても違いがあるって本当?

医師の給与は特に、人気のある都道府県と、そうではない、いわゆる過疎地では大きな差があります。例えば、公立系の病院の場合、給与は定額ですが、地方勤務や過疎地の勤務、後継ぎがいない・なり手がいない地域などは、基本給額が一気に5000万円になることもあります。

 

民間病院などが設立することのない地域に病院を設立し、それを維持していくという大変な任務をになっているため、それ相応の給与が保証されています。また、勤務時間や業務の幅などを考慮すると、都会の病院とは違う環境で働くということについての医師本人のモチベーションや熱い情熱なども必要不可欠と言えるでしょう。

 

「お医者さんのお給料って、何千万ももらっているんでしょう?」というイメージがありますが、現状は勤務する医療機関によって差があるようです。

もしあなたが現状の給与に満足していなかったら、「自由にたくさん稼ぎたい」「安定した給与が欲しい」「都会がいい」「僻地でもOK」など、何を大切にしたいかの優先順位を決め、転職コンサルタントに相談してみるのも良いかも知れません。医師のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上を目指し、最適な環境や条件を選択して行きたいですね。