著者:Africatime編集部

医師がうつ病になる理由とは?転職のポイントとうつ病を直すためにできること

うつ病による転職

医師がうつ病になる理由とは?転職のポイントとうつ病を治すためにできること

 

医師という職業は、責任が重く心身ともに負担のかかる仕事です。そのため、過剰な労働を続けることで、医師がうつ病になることがあります。今回は、医師がうつ病にある理由やうつ病の医師が転職をするときのポイント、うつ病を治すためにできることについてお伝えします。

 

 

医師がうつ病になる理由

医師がうつ病になりやすい理由の一つに、苛酷な労働条件があげられるでしょう。開業医については、不規則な勤務時間や生活スタイルになるケースが少ないかもしれません。しかし、勤務医の場合、通常業務に加えて、当直やオンコールの対応、上司の手伝いや雑務といったさまざまな業務があり、過剰労働になるケースがあります。

 

また、医師は命を扱う職業であることから、責任感の強い人も少なくありません。任された仕事は最後までやり遂げる、自分が患者さんを助けなければと、自身の身を削って責任を果たそうとする人もいるでしょう。

 

そういったさまざまな業務負担が長期間続くことによって、精神的な負担が増し、うつ病を発症するケースがあります。

 

 

 

うつ病で医師が転職する時のポイント

現職の労働環境では心身ともに負担が大きいと感じる医師の中には、転職をすることで労働環境を整えようと考える人もいるでしょう。ここでは、うつ病の医師が転職をする時のポイントについてお伝えします。

 

急いで転職しようとしない

うつ病で休職や療養をする医師のなかには、働いていないことに不安や焦りを感じる人もいるでしょう。そういった場合、少しでも体調回復の兆しが見えてくると、急いで転職しようとするかもしれません。

 

しかし、十分に回復できていない状態での復帰は、うつ病の再発・悪化の原因となります。まずは、日常生活を無理なく過ごせる程度に回復させることが大切です。

 

主治医と相談する

うつ病になった医師は、自身が医師であることから、ついつい自己判断で復帰のタイミングを判断しがちです。自身や家族が十分に回復していると感じていたとしても、主治医や友人といった第三者からは、まだ療養が必要と判断されるかもしれません。

 

医師だからこそ、自身の病気を客観的にみられる主治医を持ち、転職のタイミングを相談することが、転職を成功させるポイントです。

 

転職先に打ち明けるか

うつ病は、再発や再燃をする可能性があるメンタル疾患です。再発・再燃をしたときに備えて、転職先にはあらかじめ打ち明けておいた方が安心かもしれません。当直やオンコール対応、担当患者数などについて交渉を行うのであれば、なおさら伝えた方がよいでしょう。

 

面接時に、主治医の指示で転職活動を行っている旨や体調は、回復しているものの以前と同様の業務量をこなすのに不安があるといったことを伝えるのがおすすめです。

 

負担が少ない職場を選ぶ

心身の負担が少ない職場を選ぶのも転職のポイントです。医師の数が充実していて、当直やオンコールの担当回数や病床数が少ない医療機関を選ぶのもよいでしょう。あるいは、完全主治医制ではなくチーム制や副主治医制にしている医療機関であれば、いざという時も休みやすくなります。

 

通勤時間や拘束時間が短い、プライベートの時間をしっかりと確保できるなどの転職条件を確認することが、負担の少ない職場を選ぶことに繋がります。

 

 

 

転職のほかにうつ病を治すためにできること

転職で環境を整えることでうつ病を改善していくことは大切です。しかし、生活習慣や考え方を改めることもうつ病を直すために重要なことです。

 

生活習慣を見直す

まずは生活習慣を見直すことが大切です。特に、毎日の食事を意識することは、うつ病を直すうえで重要といわれています。

 

うつ病の患者さんのなかには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足している人がいます。食事で十分に栄養をとれていないと、セロトニンやメラトニンの不足によって睡眠不足になったり、鉄分の不足で疲労や焦燥感などが現れたりするおそれがあるでしょう。

 

また、食習慣に加えて、睡眠時間を確保するように心がけることも大切です。睡眠は心と体を回復させるために重要なこと。睡眠不足はうつ病の悪化を招きかねません。

 

とはいえ、当直やオンコール対応がある職場では、十分な睡眠時間が確保しにくいのも事実です。隙間時間に睡眠がとれるよう、クッションやアイマスクなどを職場に用意しておくのもよいでしょう。

 

考え方を変える

うつ病の医師の中には、失敗や他人と比べることで自分を責めたり、こうしなければならないと思い込んだりする癖を持つ人がいます。また、完璧にこなそうと、考えすぎたり、頑張りすぎたりするのもうつ病になりやすい人の特徴でしょう。

 

こういった考え方をすると、心のエネルギーを使いすぎてしまい、通常の生活では回復できないほど疲弊してしまうことがあります。心に負担がかからない自分のペースを見つけて、無理をしないように心がけることが大切です。

 

 

 

医師の転職はうつ病の悪化を防ぐ手段の1つ

転職をすることでうつ病の悪化を防げるかもしれません。しかし、転職は手段の1つと捉えておきましょう。転職をしたとしても、業務量が増えれば、また再発・再燃する可能性は十分にあります。

 

転職をするのと同時に、生活習慣を見直したり、考え方を変えたりといったことをすることも、うつ病の悪化を防ぐために必要です。