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アルコール消毒が増えたのに食中毒が起こるのはなぜ?

食中毒
カテゴリ:コラム 投稿日 2022/12/21

アルコール消毒が増えたのに食中毒が起こるのはなぜ?

 

新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、日常的にアルコール消毒を行う人もいることでしょう。そういった人のなかには、アルコール消毒をしていれば、食中毒は起こらないと考える人がいるかもしれません。

 

しかし、アルコール消毒をこまめに行ったとしても食中毒が起こる可能性があります。今回は、アルコール消毒をしているにもかかわらず食中毒が起こってしまう理由を解説するとともに、食中毒への対策法をお伝えします。

 

 

 

アルコール消毒をしているのに食中毒が起こる理由

食中毒を起こす原因は、細菌とウイルスが関わっています。細菌やウイルスのなかには、アルコール消毒が効かないものがいます。まずは、アルコール消毒が効かない細菌とウイルスについて見ていきましょう。

 

アルコール消毒が効かない細菌

食中毒を起こす細菌の多くは、高濃度のアルコールを使った除菌が有効です。黄色ブドウ球菌、大腸菌、カンピロバクター、サルモレラ菌、腸炎ビブリオなどグラム陽性菌やグラム陰性菌と呼ばれる細菌やカビは、アルコール除菌を行うことで食中毒を予防できるでしょう。

 

しかし、糸状菌や芽胞と呼ばれる硬い膜を作る菌は、アルコールで除菌することができません。こういった特徴を持つ菌には、次亜塩素酸ナトリウムを使用した除菌を行う必要があります。

 

アルコール消毒が効かないウイルス

ウイルスには、エンベロープという膜を持つウイルスと持たないウイルスがいます。エンベロープという膜を持つウイルスは、アルコール除菌に効果がありますが、エンベロープを持たないウイルスはアルコール消毒が効きません。

 

エンベロープを持つウイルスは、コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどです。一方、エンベロープを持たないウイルスは、ノロウイルスやロタウイルスなどがあります。

 

ノロウイルスやロタウイルスにはアルコール除菌が効かないため、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系除菌剤を使用する必要があります。

 

続いて、季節ごとに流行しやすい食中毒の対処法について見ていきましょう。

 

 

 

春夏に流行する食中毒の代表例「カンピロバクター」

前述した通り、春夏に流行するカンピロバクターはアルコール除菌が有効な細菌です。食肉に多い細菌といわれているため、しっかりと加熱したり乾燥したりすることで、食中毒を予防できるといわれています。

 

カンピロバクターによる食中毒の予防方法は、75℃以上1分以上の加熱処理を行うこと。また、調理器具の使いまわしに注意することも大切です。同じ調理器具を使う場合は、しっかりと洗浄することに加え、アルコール除菌を行うようにしましょう。

 

 

 

秋冬に流行する食中毒の代表例「ノロウイルス」

秋冬に流行するノロウイルスは、アルコール除菌に効果を示さないウイルスです。

 

ノロウイルスは、手指や食品などから経口感染するウイルスのため、手洗いや食品の加熱処理が食中毒の予防に効果があります。また、次亜塩素酸ナトリウムを使って、調理台や調理器具を除菌することも有効です。

 

 

 

アルコール消毒の効果が得られにくい食中毒の対策

食中毒を予防するためには、以下の3つを意識することが大切です。

 

  • 持ち込まない、つけない
  • ・増やさない
  • ・やっつける

 

この3つを意識して対策を行うことで、食中毒が予防できるといわれています。

 

食中毒にならないために、多くの人が最初に考えることは除菌かもしれません。細菌やウイルスをやっつけるためには、強力な薬剤を使えば良いと考える人もいるでしょう。

 

確かに、アルコール除菌の上から次亜塩素酸ナトリウムを使って除菌すれば、多くの細菌やウイルスをやっつけることができるかもしれません。しかし、家の隅々まで除菌して回ることになるため、現実的ではないでしょう。

 

もっと簡単で手軽に食中毒対策を行うことができます。それは、手洗いです。帰宅直後や外食時にしっかりと手洗いすることで、菌やウイルスを「持ち込まない、つけない」を徹底できるため、効果的な食中毒対策となるでしょう。

 

アルコール消毒が効かない菌やウイルスに効果的な手洗い方法

実は、石鹸やハンドソープを使った手洗いは、アルコール消毒の有効・無効に関わらず、除菌効果が期待できます。そのため、帰宅時や外食時は、石鹸やハンドソープを使った手洗いをするのがおすすめです。

 

手洗いの方法も、何となく適当に行うのは避けましょう。指の間や手の甲、爪の隙間などを意識し、時間をかけて洗うことで、食中毒の予防につながります。手洗いをしたうえで、アルコール消毒をすると、さらに食中毒予防になるでしょう。

 

ただし、濡れた手にアルコール消毒を行うと、十分に効果が得られない可能性があります。手洗いをした後は、しっかりと乾燥させてからアルコール消毒を行いましょう。

 

 

 

丁寧な手洗いで食中毒を予防しよう

食中毒の予防には、アルコール消毒や次亜塩素酸ナトリウムを使った除菌が効果的。加えて、いつもの手洗いについても見直すことが大切です。

 

正しい手洗いが出来ているのかを、今一度確認することで、食中毒を予防することができます。

 

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