キリキリ？チクチク？あなたの胃の痛みはどちら？
キリキリ？チクチク？あなたの胃の痛みはどちら？
突然みぞおちのあたりが痛む・・・我慢しようと思ってもますます胃が痛む・・・キリキリ、チクチク痛む突然の胃痛に襲われたことがある人も多いのではないでしょうか。
胃痛を伴う病気はさまざまですが、病院へ行くタイミングを逃してしまうと慢性化してしまい思わぬ大病につながる可能性もあります。これまで市販薬などで胃痛を抑えてきたかたは、今回のコラムを参考にして頂き、医師の診察を受けるきっかけにして頂きたいと思います。
あなたの胃の痛みはどちらですか？
本文ひと言で「胃痛」と言ってもその症状はさまざまです。
あなたの胃の痛みはどんな痛みですか？じっくり観察していきましょう。
キリキリ痛む
あなたの胃はいつもキリキリ痛みますか？ときどきキューっと胃が絞られるような感触がありますか？そしてそれは突然痛み出すことが多いですか？
キリキリ痛む胃痛の多くは突然鋭い痛みに襲われることが特徴です。胃の痛みに耐えている間に脂汗が滲むこともあるでしょう。
キリキリ痛む胃痛の原因は
・ストレス
・疲れなどから自律神経が乱れる
・暴飲暴食
・消化不良
・風邪
などが挙げられます。
これらの症状を放置すると最終的に
・急性胃炎
・食中毒
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・胃酸過多による逆流性食道炎、逆流性胃炎
・機能性ディスペプシア
などにつながる可能性がありますから我慢は禁物です。
チクチク痛む
あなたの胃はいつもチクチク痛みますか？それは鈍い痛みですか？
チクチク痛む胃痛の多くは長期間繰り返されることが特徴です。「またいつもの胃痛」と胃痛を慢性化させてしまっていることがあるので注意が必要です。
チクチク痛む胃痛の原因は
・ストレス
・疲れなどから自律神経が乱れる
・ピロリ菌
が挙げられます。
これらの症状を放置すると最終的に
・慢性胃炎
・胃潰瘍
・胃がん
などの大病につながる可能性がありますから我慢は禁物です。特にピロリ菌は一度でも感染してしまうと、完全に胃の中から除去（殺菌）しない限り一生胃に止まり続けますから特に注意が必要です。
痛み別の対処方法のご紹介
あなたの胃痛の原因が分かったところで、次は、痛み別の対処法をご紹介します。キリキリ痛むとき、チクチク痛むとき、そしてそれ以外にキューっと痛む、シクシク痛む、などの番外編もご紹介していきます。
キリキリ痛むときの対処法
実は胃を温めるだけで、痛みが軽減することが分かっています。
胃がキリキリ痛むときは、患部はもちろんのこと、体を芯から温めましょう。例えば、水分を補給する時には冷たい水を避け、常温か白湯など体温に近いものを口にしましょう。ただし、温かい飲み物であっても、胃を刺激するカフェインが入ったコーヒーやお茶などの飲み物は避けた方が良いでしょう。
患部は湯たんぽやカイロなどを使用して温めます。日中は胃にカイロを貼ったり、就寝時には足元や胃を湯たんぽで温めたりしながら、胃を労ります。
食事は無理に取る必要はありませんが、もし食べたいと思ったら消化の良い温かいおかゆや、よく煮込んだうどんなどを適量食べるようにしてください。脂っこいものや、肉や刺身など、消化に悪いものは避けるようにしましょう。
食事はよく噛んで食べることで唾液が分泌され、胃への負担が軽減されます。少量ずつ口に運び、30回を目安によく噛んで、ゆっくり食べることを心がけましょう。
チクチク痛むときの対処法
日常的に胃がチクチク痛む、長期間にわたって胃の調子が悪い、常にチクチクとした痛みを感じる、などの場合は、胃の粘膜に炎症が起きていることが考えられます。
胃の粘膜が荒れる原因は胃酸。ストレスや様々な要因の結果、胃酸が減少したり、増量したりして、胃の粘膜を傷つけます。胃の粘膜が傷つくと胃の粘膜は炎症を起こします。
胃潰瘍は胃の粘膜の炎症が進行した結果、引き起こされる大きな病気です。
同様に、胃の不調が原因で胃カメラを使って胃の粘膜の細胞検査をした結果、ピロリ菌が発見されることがあります。ピロリ菌が胃に住みついてしまうと、慢性胃炎や胃潰瘍の原因となり、日常的にチクチク痛む胃炎に悩まされることも。
また、ピロリ菌は近年、胃がんとの因果関係も明らかになっています。
ピロリ菌に荒らされ炎症を起こし、薄くなってしまった胃の粘膜は、胃がんができやすい環境となっています。胃カメラ検査でピロリ菌がみつかった場合は、速やかにピロリ菌を完全除去することをおすすめします。
番外編〜ほかの痛み
胃の痛みには、キリキリ・チクチク以外にも、キューっと痛む、シクシク痛む、などの痛みもあります。
いずれもストレスや暴飲暴食、風邪などの体調不良など、セルフケアで症状が落ち着く可能性がある胃痛から、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃がんなど、大病の前触れとなる可能性がある胃痛まで、さまざまな胃痛があります。
胃痛は種類によって緊急性が異なりますから、「いつもの胃痛」「単なる胃痛」と軽視せず速やかに医師の診察を受けることをおすすめします。
胃痛を軽視しない
胃が痛むということは、消化器官になんらかの炎症が起こっているサインです。大切なことは「胃痛を放置しない」こと。
早期発見することで、胃がんなどの発症リスクが大幅に軽減しますから、速やかに医療機関にかかり、必要な検査を受けるようにしましょう。