2022/10/28 コラム

著者:Africatime編集部

糖尿病の初期症状とは?チェック項目を紹介

糖尿病

糖尿病の初期症状とは?チェック項目を紹介

 

 

 

生活習慣病の1つである糖尿病は、症状が進行すると、眼や腎臓、神経に影響を与える疾患です。最悪の場合、失明したり、透析を行ったり、手や足の一部を切除したりするといったケースもあります。

 

そのため、糖尿病は早期発見・早期治療を行うことが大切です。今回は、糖尿病の初期症状をお伝えするとともに、早期発見のためのチェック項目を紹介します。

 

 

 

糖尿病とは?

糖尿病とは、血液中の血糖値をコントロールするインスリンと呼ばれるホルモンが、体の中で正しく働かないために血糖値が高くなってしまう疾患です。インスリンは膵臓と呼ばれる臓器から血糖値が高くなると分泌されます。しかし、何らかの原因でインスリンが作用しなくなると血糖値を下げることができないため糖尿病になってしまいます。

 

糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は、インスリンを作ることができないために高血糖になってしまう状態。2型糖尿病は、インスリンは分泌されているものの、血糖を下げる効果が弱いことが原因で高血糖になっている状態をいいます。

 

 

 

糖尿病の初期症状

糖尿病は前兆に気が付きにくい疾患です。サイレントキラーとも呼ばれており、気が付いたときには症状が進んだ状態になっているケースも少なくありません。しかし、糖尿病が進行すると、次のような初期症状が現れやすくなります。

 

・疲れやすくなる。

・喉が渇きやすくなる。

・トイレの回数が増える。

・体重が減る。

・手や足にしびれやむくみがある。

・視力の低下

 

これらは糖尿病患者さんによく見られる症状です。糖尿病の疑いがある場合は、まずこういった自覚症状がないかをチェックすることが大切でしょう。

 

 

 

糖尿病が進行するリスク

血糖値が高い状態が続くと、大きい血管や小さな血管の壁に傷がつきます。傷によって起こる炎症は、体の修復機能によって治まりますが、血糖値が高い状態が続いていると再び傷がつき、炎症と修復を繰り返すことになります。こうして、動脈硬化が進行します。

 

動脈硬化は、高血圧や心筋梗塞、狭心症といった循環器系の疾患や、脳梗塞といった脳血管障害のリスクが高くなるといわれています。そのため、糖尿病が進行すると、循環器系や脳神経系の疾患を患うリスクが高まるでしょう。

 

また、糖尿病が進行すると、白血球の機能や免疫反応が低下するため、感染症にかかりやすいです。そのため、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなるだけでなく、感染症が重症化しやすくなるのも、糖尿病が進行するリスクといえるでしょう。

 

 

 

糖尿病の初期症状に気付くためのチェック項目

糖尿病には特有の症状があります。ここでは、「眼に出る症状」「尿に出る症状」「手足や皮膚に出る症状」について見ていきましょう。

 

眼に出る症状

糖尿病が進行すると、網膜と呼ばれる眼の組織が傷つくことがあります。糖尿病網膜症と呼ばれており、視力低下や視野狭窄、飛蚊症などの症状が現れるといわれています。

 

症状が進行すると失明する可能性があるため、早急な血糖コントロールが必要とされます。「視野が狭くなる」「見えにくくなる」といった自覚症状があるときは、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

 

また、すでに糖尿病と診断されている患者さんは、定期的に眼科を受診して、糖尿病網膜症の発症や進行について確認することが大切です。

 

尿に出る症状

糖尿病によって腎機能が低下することがあります。糖尿病腎症と呼ばれており、ごく少量の尿蛋白が検出されるのが初期症状です。

 

タンパク質であるアルブミンが尿から流れている状態で、糖尿病が進行するにつれて、尿蛋白の量も増えていきます。尿に含まれるタンパク質が増加すると、尿が泡立ちやすくなるため、糖尿病が気になる方はトイレで尿の状態を確認しましょう。

 

糖尿病腎症は、症状が進行すると、腎不全になります。腎不全は自身の腎臓で尿が作れなくなってしまう状態のこと。体から水分を出しにくくなるため、足のむくみや肺に水が溜まるといった症状が現れます。

 

また、糖尿病の症状と合わせて、高血圧や肥満などがある患者さんは、腎機能が低下するリスクが高いといわれています。患者さんのなかには、降圧薬の服用や塩分・タンパク質を制限した食事を摂るといった対応が必要なケースもあるでしょう。

 

手足や皮膚に出る症状

手足のしびれや痛みを感じたり、冷えやめまいなどが起こったりすることがあります。これは、糖尿病神経障害と呼ばれており、感覚をつかさどる神経に起こる症状です。

 

他にも、便秘や下痢といった消化器症状や起立性低血圧などが起こることもあり、糖尿病神経障害の症状はさまざまです。また、前述した糖尿病網膜症や糖尿病腎症に比べて、自覚症状が現れるタイミングが早いのが特徴です

 

糖尿病の疑いや心配がある方は、手足のしびれや痛み、冷えといった症状があるかどうかを注意深くチェックしましょう。

 

 

 

初期症状をチェックして糖尿病の早期発見を

腎症や網膜症、神経障害といった合併症を起こさないためにも、糖尿病を早期発見することが大切です。自身の体調の変化を敏感に察知し、早期発見を心がけましょう。