2022/09/28 コラム

著者:Africatime編集部

無知は危険!食事パターンと死亡リスクの関連性

食事パターンと死亡リスクの関連性

無知は危険!食事パターンと死亡リスクの関連性

 

近年では癌、脳卒中、心筋梗塞が日本人の抱える3大死亡要因といわれています。特に癌は、今や4人に1人が患う代表的な疾患となっています。一方で、これらの疾患を早い段階で予防する効果のあるさまざまな食事法や運動法などが認知されています。

今回は食事にスポットを当て、食事パターンと死亡リスクの関係性をご紹介したいと思います。

 

 

あなたの食習慣、乱れていませんか?

さまざまな研究から食生活を含む「生活習慣の乱れ」が病気や死亡リスクを上げる可能性があるということが明らかになっています。私たちが何気なく過ごしている毎日の生活習慣そのものが原因となり、肥満や糖尿病、高血圧などが起こりやすくなるのです。生活習慣の乱れを戻さずに生活を続けていれば、日本人が抱える3大死亡要因である癌、脳卒中、心筋梗塞を引き起こしやすくなります。

 

食習慣は特に摂取する栄養素などに注意が払われがちですが、食事の食べ方や食事量を間違えると、病気や死亡リスクが上がります。そうならないためにも以下の3つのポイントを抑えておきましょう。

 

1. 毎食、食事はなるべく決まった時間に食べるようにする

2. 食事は30回〜50回ほどよく噛んでから食べる(唾液の分泌を促す)

3. 食事量はお腹いっぱい食べないで、腹八分目が理想

 

 

 

食習慣が乱れる原因は?

厚生労働省のデータによると、会社勤めをしている日本人の6割が職場で何らかのストレスを抱えていることが分かっています。この調査発表は平成14年から行われていますが、平成28年のデータにおいても依然6割の人がストレスを抱えており、日本人の抱える「ストレス度の高さ」が懸念されています。ストレス度を下げるために暴飲暴食をしてしまったり、残業後の夜遅い時間帯に食事をする、疲れから朝食を食べずに出勤するなど、私たちの生活の中には食習慣が乱れる原因が多くあることがお分かり頂けるでしょう。

 

また、ダイエットや間違った健康・美容情報による偏りのある食習慣が原因となり、必要なエネルギー(栄養)が不足してしまうことも、食習慣が乱れる理由のひとつです。加えて、便利になりすぎた私たちの生活において、電子レンジで温めるだけのレトルト食品や、カップ麺、コンビニのお弁当などが、塩分過多や、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの不足を招きやすく、これらも食習慣が乱れる要因といえるでしょう。

 

 

どんな食事が死亡リスクを上げるか?

日本人の3大疾患に陥る要因として、食習慣を含む生活習慣の乱れについて解説しましたが、ここではさらに詳しい内容をご紹介していきたいと思います。

 

どんな食事が死亡リスクを上げるのでしょうか?

国立がん研究センターの研究で、食事を「健康型」「欧米型」「伝統型」の3パターンにわけ、がんなどの疾患に陥るリスクや死亡リスクを調べた研究があります。もしあなたがこの3パターンの食事パターンの中から、もっとも死亡リスクが高い食事パターンを選ぶとしたら、どれを選びますか?

 

・私たちは日本人だから、やはり「欧米型」の食事はよくないのでは?

・「欧米型」の肉やパンなどが多い食生活は、体に悪いと聞いたことがある。

 

多くの人がこのように考えるかも知れません。

ところが、研究結果によると「健康型」「欧米型」「伝統型」の食事パターンには、どれも死亡リスクを下げる働きがあることが分かったのです。

 

 

リスクを下げる理想的な食事とは?

つまり「健康型」「欧米型」「伝統型」の3つの食事パターンそれぞれに、死亡リスクを下げる働きがあり、これらの食事パターンをバランスよく食べることが死亡リスクを下げる理想的な食事であるということがこの研究で明らかになりました。

 

ではバランスの良い食事とはどのような食事を指すのでしょうか?

「健康型」や「伝統型」の食事であれば、主食にご飯、主菜に魚、副菜に野菜や海藻類、汁物にお味噌汁という和食ベースの食事を指します。「欧米型」であれば、主食にパン、主菜に肉や卵料理、副菜に野菜、汁物にスープになるでしょう。いずれも、特定の栄養素や食材に偏ることなく、全体をバランスよく組み合わせて食べることで、死亡リスクが下がることが分かっています。

 

毎日の食事ですから、「毎回、必ず」となると逆にストレスに感じてしまう場合もあるでしょう。著者の住むフランスでは、フランス農業・水産省が推奨する「5 fruits et légumes par jour 毎日5種の野菜と果物をとりましょう」という国民健康プログラムが推奨されています。1日の食事のうち、例えばお味噌汁に野菜を2種類入れ、主食の付け合わせに野菜を1種。朝と夜に果物を1種類ずつ(計2種)食べれば、「5 fruits et légumes par jour 毎日5種の野菜と果物をとりましょう」は達成されます。

 

この方法ですと、ストレスなく意外と簡単にできる気がしませんか?もしあなたが「毎日バランスの良い食事をとる」ということにストレスを感じたら、フランス式の国民健康プログラムを思い出してみてくださいね。