2022/09/22 コラム

著者:Africatime編集部

お腹が減るとイライラするのには理由があった!?

空腹でイライラ

お腹が減るとイライラするのには理由があった!?

 

 

イライラしている時に、間食や食事を摂るとイライラが治まることはありませんか。どうやら、お腹がすくとイライラしたり短気になったりするのは、科学的に証明された事実のようです。今回は、お腹が減るとイライラする原因についてお伝えします。

 

 

 

お腹が減ってイライラしている状態「hangry」

お腹が減ってイライラしている状態を英語圏では、空腹を意味する「hungry」と怒りを意味する「angry」を合わせて「hangry」というようです。英語圏では一般的な言葉として使用され、メリアムウェブスター英英辞典にも載っている言葉とのこと。日本では「hangry」という言葉にあまりなじみがないですが、「お腹が減るとイライラする」のは国を問わず共通の認識なのかもしれません。

 

 

 

お腹が減ってイライラする時は血糖値が下がっている

食事を摂ると血糖値が上がり、体がエネルギーを消費すると血糖値が下がります。食事や間食を摂る間隔が短いと、血糖値が下がるタイミングが少なくなるため、お腹が減ることによるイライラは起こりにくいでしょう。

 

しかし、実際は、常に何かを食べ続けている人は少なく、ある程度の間隔をあけて食事や間食を摂っています。そのため、定期的に血糖値が下がります。

 

血糖値が下がると、体は血糖値が下がっていることを知らせるために「お腹が減る」という合図を出します。その時、何か食べることができれば、血糖値は上がるため、脳からの「お腹が減る」という合図はなくなるでしょう。

 

しかし、いくら合図を送っても血糖値が上がらないと、脳はイライラするという形で新しい合図を送り始めるのです。

 

 

 

 

お腹が減ることで起こる脳からの刺激

 

お腹が減っている時、体の中ではさまざまな変化が起こっています。ここでは、お腹が減ると感じるメカニズムと、空腹によって起こる脳からの刺激について見ていきましょう。

 

血糖値による満腹と空腹の合図

先にもお伝えした通り、空腹・満腹と血糖値は大きな関わりがあります。まずは、そのメカニズムについてお伝えしましょう。

 

血糖値が上がったり下がったりすると、脳の視床下部が刺激されます。視床下部には満腹中枢と摂食中枢と呼ばれる場所があり、血糖値が上がると満腹中枢が、血糖値が下がると摂食中枢が刺激されます。

 

満腹中枢が刺激されると、「お腹がいっぱい」と感じ、摂食中枢が刺激されると「お腹が減った」と感じるため、私たちは満腹や空腹を自覚することができるのです。

 

お腹が減ることで分泌されるストレスホルモン

お腹が減ると、脳からコルチゾールと呼ばれるホルモンを分泌するように指示が出されます。コルチゾールとは、副腎皮質から分泌されるホルモンのことで、ストレスホルモンとも呼ばれています。

 

コルチゾールには、血糖値を下げるインスリンを調節する働きがあり、また、ストレスを感じた時も分泌されるホルモンです。そのため、コルチゾールが大量に分泌されると体はストレスを感じた時と同じような状態となりイライラします。

 

脳の快・不快を感じる部位が刺激

血糖値が下がると刺激される視床下部。この視床下部の周辺には、扁桃核や側坐核と呼ばれる場所があり、不安や不快、恐怖などの感情をつかさどる場所といわれています。

 

血糖が下がり、視床下部が刺激されると、その周辺にある扁桃核や側坐核も刺激され、怒りっぽくなったりイライラしたりしやすくなるということです。

 

 

 

お腹が減ってイライラした時にできること

お腹が減ってイライラした時にできる対策をお伝えします。

 

お腹を満たしてあげる

最も簡単にできる対処法は、お腹を満たしてあげることです。お腹が減っているのだから当たり前と感じるかもしれませんが、実はとても大切なこと。仕事や家事などに集中していると、お腹が減っていることに気が付かないことがあります。

 

集中が切れたときには、時すでに遅し。イライラして周囲に当たり散らしていることもあるでしょう。イライラしている時はお腹が減っているのかもしれないと考え、何か食べてみるのは有効な方法です。食事が摂れる場合は食事を摂りましょう。

 

難しい場合は、チョコレートやアメなど、簡単に血糖値があげられるお菓子を少し食べるだけでも、イライラが治まりやすくなります。

 

お腹が減っていることを自覚する

いつでも何か食べられる環境であれば、お腹が減ってもすぐに対処できます。しかし、そういった環境にない人は、「イライラした時はお腹が減っている時」と考えることも大切でしょう。

 

これはマインドフルネスと呼ばれる方法で、イライラの原因が空腹によるものと考えることで心をコントロールする方法です。お腹がグーグーと鳴り始めたら、そろそろイライラしたり怒りっぽくなったりするかもしれないと思うようにしましょう。

 

 

 

イライラしていると感じたら

「理由は分からないけどイライラしている」と感じたら、まずは自分のことを観察しましょう。もしかしたら、お腹が減っているだけかもしれません。また、職場の同僚や家族がイライラしていたり怒りっぽくなったりしていたら、チョコレートやアメを渡してみてはいかがでしょうか。それだけで、雰囲気が変わる可能性は十分にあります。