「肩こり」は病名ではない？整形外科で肩こりを診てもらうメリット

あなたは普段スマートフォンやパソコンを使っていますか？これらの電子機器が普及するにつれ、肩こりを訴える人は増加の一途をたどっていると言われています。慢性的な国民病とも言える肩こり。今回は肩こりのお悩みを解決する「ファーストステップ」をご紹介したいと思います。

「肩こり」は病名ではない？

実は「肩こり」は病名ではないということをご存知ですか？一般的な肩こりとは、肩を含めた肩周辺が何らかの不調をきたしている状態の「総称」なのです。ひと言で「肩こり」と言っても原因は多岐にわたり、またその症状や回復の過程にも個人差があるため、肩こりは病名ではなく「総称」として使われています。

肩こりの症状（肩こりとは？）

先ほど、肩こりとは肩を含めた肩周辺が何らかの不調をきたしている状態の「総称」であるとご紹介しました。

例えば、ストレートネックが原因で起こる肩こりや、肩甲骨周辺の筋肉が引っ張られることで起こる肩こりなど、その原因は実に様々です。またその状態を「痛い」「突っ張る」「だるい」「ズキズキする」など患者さんによって感じ方も異なります。

肩こりの症状とは、単にスマートフォンやパソコンを長時間使用することで筋肉疲労を起こしただけではなく、生活習慣の乱れやストレスなどが原因となることもあるのです。

このように肩こりの症状は人によって異なりますから、肩周辺に違和感を感じたらまず、整形外科を受診しそれぞれの症状に合った治療方法を選択し、正しく対処していきましょう。

なぜひどい肩こりは整形外科なのか？

上記の理由から、まず、肩こりの原因を特定するために整形外科へ行き、医師による診断を受けることをおすすめします。医師は、レントゲンやMRIなどの医療機器を使った医療行為をすることができますから、医療行為を受けることで、あなたの肩こりが、姿勢が悪いことで起こっているのか？それとも、眼精疲労が原因なのか？あるいは、単なる肩こりだと思っていたのに、脳内出血や五十肩、椎間板ヘルニアなど、思わぬ大きな病気が潜んでいるのか？など、ありとあらゆる可能性を推定し、それらを特定することができます。

次に、肩こりの原因を特定することで、正しい病名を付けることができます。その上で、その病気に対する治療を行うのですが、ここで治療方法の選択肢として整形外科か、接骨院か、それともマッサージ店なのか、治療方法や通院施設を選択する事ができるのです。

ひどい肩こりは思わぬ病気が潜んでいる可能性もありますから、単なる肩こりと自己判断せずに、なるべく早く整形外科を受診しましょう。

整形外科と接骨院やマッサージ店の治療方法の違いはあるの？

では、整形外科と接骨院やマッサージ店の治療方法に違いはあるのでしょうか？ここでは、それぞれの違いをまとめてご紹介したいと思います。

整形外科

整形外科ではレントゲンやMRIなどの医療機器を使った治療を受けることができます。また、肩周辺の筋肉の緊張をほぐし血流を改善するための湿布薬や痛み止め、筋弛緩剤などを使った投薬治療も可能です。また肩こりの原因が思いがけない大きな病気の前兆であった場合など、その特定の疾患に対する医療行為（手術など）を迅速に行うことも可能です。

病院施設によっては、鍼灸治療や健康運動指導士による運動療法などを受けることもできますから、あなたの症状にあった治療方法を医師とよく相談し、治療にあたりましょう。

接骨院

多くの肩こりの原因は、筋肉の緊張からくる血行不良が原因と言われています。そこで、接骨院では、主にこの血行不良を改善するための治療を行っています。特に接骨院では、鍼灸師などの国家資格を持っている人が治療を行っています。

代表的な治療方法として、音波や温湿布、電気などを使った温熱療法や鍼灸治療、指圧やマッサージ、ツボ押し、整体などがあります。

整形外科との決定的な違いは、医師が不在であることです。従って、病名を特定、診断することができませんし、医療機器を使った治療を受ける事もできません。また薬の処方もできないため、接骨院で鎮痛剤などの薬や注射を受けることもできません。

マッサージ店

整形外科や接骨院で治療にあたる人が有資格者であるのに対し、マッサージ店では資格を持たない人も施術に当たることができます。各店舗の対応マニュアルに沿ってマッサージの研修を終えたいわゆる民間資格を有している人などが主に治療に当たっています。

もちろん中には「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を持っている人もいますが、チェーン店のマッサージ店の多くは、民間資格の場合がほとんどです。

治療方法としては各店舗のメニューに沿ったマッサージで、患者の肩こりや血行不良を改善します。

まとめ

今回は肩こりのお悩みを解決するファーストステップとして「肩こりは整骨院よりもまず、整形外科で相談する理由」をご紹介して参りました。

肩こりは、男女問わず不調を訴える人が多い国民病とも言える疾患のひとつです。それゆえに「単なる肩こりだから」と治療をせずに放置してしまったり、医療機関を受診しないままマッサージ店に通ったりする人が多いのも事実です。もし肩こりがなかなか治らないなどのお悩みを抱えていたら、まず整形外科を受診してみませんか？医師による診断のもと正しい治療方針を検討することで肩こりの改善が見られるかも知れませんよ。